胃アニサキス症とは?
サバ、イカ、カツオ、サンマなどの海洋生物に寄生する寄生虫「アニサキス」が胃の中に入り込むことで、急な胃痛・腹痛、吐き気などを引き起こすものを胃アニサキス症といいます。体内に侵入したアニサキスが胃や腸の壁に食いつくことで、症状を引き起こします。
アニサキスが寄生している海洋生物を食してから数時間以内に、アニサキスが胃や腸の壁に食いついたことによるアレルギー症状で、急な痛みや嘔吐などが起こります。稀にアナフィラキシーショック症状に陥るケースもあります。
こんな症状が現れます
- 激しい胃痛
- 激しい腹痛
- 吐き気
- 蕁麻疹
- アレルギー症状
- アナフィラキシーショック症状
など
アニサキスが寄生している海洋生物を食してから、数時間以内に急な痛みが現れる一方、周期的に痛みが強くなったり、弱くなったり波があることが多いとされています。
胃アニサキス症の原因
アニサキスは加熱または冷凍により死滅するため、新鮮な刺身やお寿司などを食べると、胃アニサキス症になることが多いといえます。
アニサキスが寄生した海洋生物を介して、胃の中の入ると、アニサキスが胃や腸の壁に食いついて激しい痛みなどの症状を引き起こします。ただし、食いついたことが痛みの原因ではなく、食いついた場所でアレルギー反応が起こることで周囲の粘膜が腫れて痛みなどの症状が現れます。
胃アニサキス症の検査方法
胃アニサキス症の検査方法には、「問診」「エコー検査」「内視鏡検査(胃カメラ検査)」などがあります。
問診
胃アニサキス症と同様の症状を引き起こす病気に、胃潰瘍・十二指腸潰瘍などがありますので、まずはしっかりと問診を行って、症状の原因を追究します。
アニサキスの虫体が胃の中に入り込むと、激しい痛みが起こるので、まずは症状を確認して、「生の魚介類を食べませんでしたか?」「お寿司屋さんに行ってないですか?」などとおうかがいして、該当するようであれば、検査前から胃アニサキス症が疑われます。
エコー検査
体外から超音波を照射して、痛みが発生している部分の臓器の状態を確認します。
胃カメラ検査
エコー検査で胃アニサキス症が疑われる場合には、胃カメラ検査を実施して、実際にアニサキスを目で見て確認します。
胃アニサキス症の治療方法
胃アニサキス症を治療する時には、胃カメラ検査を行って、実際にアニサキスを目で見て確認した後、その場で摘出します。すぐに胃カメラ検査が行えない場合には、ステロイド薬、抗ヒスタミン薬、テプレノンなどを処方して、経過観察するケースもあります。
内視鏡で虫体を摘出すればすぐに痛みは消えます
胃アニサキス症と診断された場合、内視鏡で虫体を確認し、摘出することで痛みは治まります。アニサキスが胃の中に入り込むと、脂汗をかくほどの激しい痛みに見舞われますが、摘出した途端、すぐに痛みは消えます。なお、アニサキスは人体に入り込んでも、通常、1週間程度で死滅しますので、万が一摘出できなかった場合でも、対症療法により治療することは可能です。
胃アニサキス症にならないようにするためには
胃アニサキス症の主な原因は、海洋生物を食べることによる感染ですので、新鮮なお刺身などは胃アニサキス症になる可能性があります。アニサキスは、零下20℃以下で4時間以上冷凍されたり、加熱処置されたりすると死滅しますので、胃アニサキス症にならないようにするためには、冷凍もののお刺身を選ぶか、焼き魚などを選ぶのが安全です。
なお、アニサキス症はすべての海洋生物で起こる可能性がありますが、特に原因となりやすいものとして、「サバ」「イカ」「サンマ」などが挙げられていますので、これらの新鮮なお刺身を食べる時などは注意するようにしましょう。