便秘のおはなし その12
食物繊維を極める
前回食物繊維についてお話ししましたが、
食物繊維は水に溶ける「水溶性食物繊維」と
水には溶けない「不溶性食物繊維」とに分類されます。
それぞれの特徴を以下にまとめます。
水溶性食物繊維 | 不溶性食物繊維 |
・食品の水分を吸収してゲル化して便を柔らかくします。・善玉菌のエサとなり腸内環境を整えます。・胆汁酸やコレステロール、人体に有害な物質などを吸着して体外に排出します。
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・水に溶けず水分を吸収して膨らみ腸を刺激してその運動を活発にすることで 便通を良くします。
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多く含む食品 | 多く含む食品 |
アボガド、らっきょう、ゆりね、オクラ、ヤマイモ、こんにゃく、海藻、ゴボウ、納豆、オートミール、熟した果物
*こんにゃくはスーパーなどで販売されているものは凝固剤で固めているため不溶性です。 |
豆類、おから、エリンギ、えのき、切り干し大根、小麦ふすま、干し柿、市販品のこんにゃく |
それぞれの食物には水溶性食物繊維も
不溶性食物繊維も両者が含まれています。
実際の含有量は下記をご参照ください。
https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/fiber/intake/foods-amount/
以上のことから、便を軟らかくするためには「水溶性食物繊維」を
便の量を増やしたり、腸を動かすためには「不溶性食物繊維」を
多く摂るとよいことがわかります。
それではタイプ別にどのように食物繊維を摂れば良いのかを
ご説明します。(便秘のおはなし その6参照)
○腸の動きが乱れる(痙攣性便秘)の方の場合
おなかがゴロゴロいうのに便が出てこない、コロコロ便と
下痢とが交互にある、などの症状のある方は
「水溶性食物繊維」を多く摂ると良いでしょう。
ご注意:このタイプの方が、「不溶性食物繊維」を
多く摂ると、腸が刺激され過ぎて腸の動きが
ますます乱れて便秘がひどくなることがあるのでご注意ください。
○腸の動きが悪い(弛緩性便秘)方の場合
便の回数や量が少ない、おなかの音があまりしない、
年とともに便秘になった、などの症状がある方は
「不溶性食物繊維」を多く摂ると良いでしょう。
次回は便秘の治療方法についてです。
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