便秘のおはなし その13
実は日本の便秘治療は世界のすう勢とはかけ離れています。
わが国では酸化マグネシウムと刺激性下剤を使用するのが
一般的ですが、海外では刺激性下剤を毎日処方することは
ありません。海外の医師が日本の便秘治療を見てびっくり
されるとのお話もあります。
刺激性下剤をほぼ毎日のように使用するのは
いろいろと問題を生じます。
刺激性下剤としておもに使用されるものには、センナや
アロエ、大黄などのアントラキノン系薬剤です。
アントラキノン系薬剤の効果は強力ですが、
服用を続けることで、次第に薬剤耐性が生じて
効きが悪くなります。
効きが悪くなると服用する量を増やすなど精神的に
依存状態となったり、便意を感じにくくなったりします。
最悪の場合、腸管の運動が極端に低下する「結腸無力症」
という状態に陥り、手術が必要となることもあります。
治療の基本は、便の量を増やしたり、便を軟らかくする
薬剤を中心にして、刺激性下剤はどうしても排便が
なかったときの緊急避難的に使用するというものです。
最近では新しい便秘薬がいろいろと出てきています。
今までとは違い薬の選択の幅が広がり、便秘治療も
大きく変わろうとしています。
便秘でお困りのことがあればご相談ください。
ご覧いただきましてありがとうございました。